いきなりですがクイズです。生物にとって、昼と夜を区別する確実な方法は何でしょうか。
温度? たしかに全体的に昼は暖かく夜は寒いですが、たとえば前の日の夜よりも翌日の朝の方が寒いことがあったりするように、毎日刻々と変化するので、あまり正確ではありません。
音? たしかに朝になると鳥がさえずりはじめますが、ではその鳥はどうやって昼夜を判別しているのでしょうか。
結局一番確実な方法は光です。
人間だけでなく、多くの生物は光をメインに使って、いつが昼でいつが夜かを、体で判断しています。
目が見えず、光の強弱がつきにくいような場合には、この「いつが昼でいつが夜か」判断する機能が極めて働きにくくなってしまい、体内時計と外の時間とが別れて動いてしまうことがあります。
全盲の人では多くの人が「Free Run / non-24」というタイプの、24時間周期で睡眠と覚醒のリズムがうまく動かないリズム障害にかかっていることが知られています。
暗い部屋にずっと引きこもったりしていると、やはり同じ状態が引き起こされてしまいます。
この場合、睡眠のリズムが外の世界の時間とうまく合っている(同調している)場合には、うまく夜眠れて朝起きれ、快適な生活を遅れますが、次第に時間がずれていき、夜なかなか眠れなくなったり、あるいは早過ぎる時間に眠くなってしまうという不調が出てきます。
そしてまた快適な時期が1ヶ月弱で訪れる、という、調子のいい時と悪い時を繰り返す体調の波が現れます。
このリズム障害は、メラトニンという「夜が来たこと」を体に伝えるホルモンを使うことで大きく改善することが多いので、ぜひ睡眠リズムの診察・治療ができる医療機関に受診することをおすすめします。
また、このリズム障害も認知度が低いので、もし身の回りに目の見えない人がいて、体調の波に困っているような場合には、ぜひこの記事をシェアして頂ければ嬉しいです。