思春期人口の4%が「睡眠相後退障害(睡眠相後退症候群)」で、「単なる夜型」とはやや違う。

 睡眠リズム障害の有病率(何人中何人がリズム障害なのか)を測定することは非常に困難です。なぜならば、リズム障害の人はアンケートに回答できる時間に起きていないことがあるからです。

 しばしば、学校で行ったアンケート調査を用いて「リズム障害の有病率は●%」という研究が発表されることがありますが、それはかなり馬鹿げた話です。学校内でアンケートを取れば、そもそも重度のリズム障害の人は登校・就学できていないため、本当の数値を測定することができません。

 直近で出たこのコホート研究は、その点、学校とは関係なくランダムに抽出した人たちへのアプローチであるという点で、信頼がおける研究です。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27537980

 この研究では思春期人口(16~26歳)の4%にリズム障害(睡眠相後退障害)があることを明らかにしました。また、この研究は「いわゆる単なる夜更かし(DSP)」と「リズム障害での夜型(DSPD)」を区別して集計しています。単なる夜更かしは男性が多く、就学・就業していないこと、シフトワークであること、酒や煙草を使っていることが関連していました。リズム障害(睡眠相後退障害)も就学・就業していないこととは関連していましたが、男女差がなく、不安感が強いという点で差がありました。

 リズム障害には「生活習慣の乱れやただの嗜好」でリズムが崩れてしまう人と、「もともとの体質」としてリズムが社会生活と合わなかったり、24時間を刻めなかったりする人が混じりあっています。この研究は、それを見分けるための一助となりそうです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です